暮らしやすい間取りとは?|生活動線について解説【間取り有】
「暮らしやすい理想の間取り」を考える時に生活動線の重要性を挙げることができます。生活動線とは、日常生活における家の中での人の動きや行動の流れを指します。生活動線を考慮することで、空間の使い勝手が向上してストレスの少ない生活環境を実現できます。
家づくりにおける生活動線は 「家事動線」「衛生動線」「通勤・通学動線」「来客動線」の4種類。4つの動線計画ごとに、配慮したいポイントを解説していきます。
家事動線
家事動線は、料理や洗濯などの家事を行う際の動きや流れを指します。効率的な家事動線を考えることで時間や労力を節約する家事ラク動線を実現する快適な生活を実現する大切な動線計画です。
- ゾーニング:洗濯なら干す、たたむ、仕舞うまでの作業をどこで行うか?調理から配膳までの動線のつながりを考えるなど家事を行う作業場所を明確にすることで家事の効率化を図ります。
- 動線の短縮: 家事を行う際に移動する距離を短くするために必要なものを近くに配置します。例えば洗濯機と干す場所を近くにするなどが挙げられます。
- 収納の工夫:よく使う道具や材料は取り出しやすい場所に収納を確保する、ストック品を分かりやすい位置に配置するなど収納を考える。
衛生動線
衛生動線とは、衛生面に配慮した動線を確保することで感染症のリスクを低減したり清掃や整理整頓がしやすくなったりします。家族の健康を守る最適な衛生動線をつくるポイントは以下通りです。
- 水回りの配置:キッチンからゴミストックスペース、浴室、トイレから洗面台までの水回りを適切に配置して、汚れたものと清潔なものの動線を分けることが重要です。
- 出入り口の工夫:外からの汚れを持ち込まないために玄関からの動線を考慮し、靴を脱ぐスペースや手洗いスペースを設けると良いでしょう。
- 収納の工夫:清掃用具や衛生用品を使いやすい場所に収納し、必要なときにすぐに取り出せるようにすることで衛生管理がしやすくなります。
- 通気性の確保:空気の流れを考慮した設計にすることで、湿気やカビの発生を防ぎ、衛生的な環境を保つことができます。
通勤・通学動線
通勤・通学動線とは、家から「出かける」、帰宅してからから「くつろぐ」までを最適化することで、身支度までの時間を短縮したり、通勤・通学に至るまでの動作がスムーズになります。特に出かける時間帯が重なる朝の動線を確保することが重要です。
- 回遊動線を確保する:。朝、混雑しがちなトイレや洗面化粧台の配置を工夫して、つき当りのない回遊動線にすることは効果的な動線計画。人のすれ違いが少なくなり、出入りがスムーズでになります。
- 設備を増やす:家族の人数が多い場合は、例えば平屋であってもトイレや洗面化粧台を2台設置して混雑を防いだり、身支度をするスペースを広くとるなどで朝の混雑を緩和する
- 動線の明確化:通勤・通学時に持ち歩く荷物は、できるだけ配置場所を分かりやすくして荷物チェックや持ち忘れなどで無駄が動作がない工夫を心がける。
来客動線
来客動線とは、友人・知人はもちろん、同居していない両親や親族などから仕事上の来客や子供の友人など様々な状況が予想されます。来客の頻度が高い場合は来客動線を意識して動線計画を考えておくと良いでしょう。
- エントランスの設計:お客様が最初に目にする場所であるため、明るく清潔感のあるエントランスを心掛けましょう。靴を脱ぐスペースやコートを掛ける場所を設けると便利です。
- 動線の明確化:お客様が迷わずに目的の部屋に行けるよう動線をシンプルに保ちます。廊下やドアの配置を工夫して視覚的に誘導することが大切です。
- プライバシーの配慮:リビングやダイニングにアクセスする際にプライベートな空間(寝室や書斎や水回りなど)を通らないように設計することが望ましいい。
生活動線を考える際に気を付ける4つのポイント
生活動線は、日常における家庭内ので動線計画のため、家族の行動や家事動線の配慮しながら無駄のない効率的な動きが出来ることが理想です。ここでは生活動線を考える際に気を付けたいポイントを解説していきます。
一日の暮らしを振り返ってみる
生活動線は家族が「暮らしやすい」を実感する間取りづくりが大事になってきます。そのため家族の一日の行動を振り返って配置計画を検討するとよいでしょう。来客が多い家庭の場合は家事動線と来客動線が重ならない工夫をしたり、小さなお子様がいる過程の場合は衛生動線と動線上に最適な収納スペースを確保するなど、暮らしを想像すると動線の工夫や優先順位をつけることが出来ます。
朝など煩雑な時間帯の行動パターンを予想する
通勤・通学や家事をする煩雑な時間帯はどうしても動線が重なったり、使いたいスペースが塞がれたりするなど、思ったように作業できないことも予想されます。煩雑な時間帯に家族がどのように行動するかを予想して、生活動線がいつでも使いやすいよう工夫することが望ましいと言えます。
家事のしやすさを心がける
料理や洗濯に掃除など、毎日の家事がしやすいことは暮らしやすさい直結します。特に複数の家事を同時に行う場合や、お子様の世話をしながら家事をするなど様々なシチュエーションを想像して最適な家事動線を考えてみるのも良いでしょう。また、家事動線と他の動線が重ならないように通路幅にゆとりをもったり、回遊動線にして経路が塞がれない工夫も大切です。
動線上に配置する収納スぺ―スを確保する
動線上に適切な量の収納スペースがあると動きに無駄がなくなります。例えばパントリーを配置する場合の収納には何を置くのかによって必要な広さが変わるだけでなく、優先順位をつけることで他の動線上の収納が不足する可能性もあります。適切な収納量バランスよく配置することも動線計画にとって大切な要素になります。
生活動線に配慮した間取り【実例5選】を紹介
Case1 家事動線に配慮した間取り
この実例は、家事のしやすい動線計画のため水回りをまとめることや回遊動線のご要望を元に作成した実例です。
POINT
- 回遊動線にすることで、動線詰まりなく家族の往来もスムーズになりました。動線の配置と収納スペース確保して使いやすい動線計画に
- ご夫婦共に料理をしやすいペニンシュラキッチンを採用。食器棚もカウンター式にして作業するスペースを確保。奥にはパントリーを設けて食材や調理器具などの収納不足を補います
- ランドリールームを独立して設けることで、家族の入浴や身支度の邪魔をしません。キッチンにも隣接しているため、料理と洗濯を同時に管理することが出来ることも家事のしやすさにつながります
Case2 衛生動線に配慮した間取り
この実例は、衛生動線に配慮しながら、来客動線や家事動線にも配慮したシンプルな間取り構成で提案した実例です。
POINT
- 玄関からドアを触ることなく洗面台まで行けるため衛生的。トイレや脱衣室にも隣接しているので来客時のトイレや身支度もしやすい配慮をする
- 洗濯脱衣室で洗うから畳むまでを完結して、隣接のファミリークロゼットに衣類は収納。階段も近いため衣類の仕分けもしやすい動線を確保
- 回遊動線にすることで家事のしやすさや、すれ違いしやすく通勤通学の時間帯も使い勝手がよくなります
Case3 朝の通勤・通学動線に配慮した間取り
この実例は、朝の通勤・通学ラッシュ時の家族の動きやすさと家事のしやすさに配慮した間取り例になります。
POINT
- 玄関ホールと洗面コーナーなどの水回りまでの動線が広い通路になっていて往来しやすい動線を意識している
- 水回り全般を隣接させた配置のため、家事のしやすさに配慮。キッチンをふくめた回遊動線になるため、行き止まりなく動きやすさを確保
- 洗濯動線にファミリークロゼットを配置しており、通勤通学時の着替えも可能なスペースを確保している
Case4 通勤・通学動線、来客動線に配慮した間取り
この実例は、通勤・通学ラッシュ時の家族の動きやすさとガレージを利用した来客動線に配慮した間取りです。
POINT
- 玄関から見えない位置にツインボウルの洗面コーナーを配置。朝の混雑する時間帯も慌てず身支度ができる
- 室内干しができる洗濯脱衣室、トイレ、キッチンなどの水回りを集中して最短距離で家事をこなすことができる
- ガレージから和室(客間)、玄関に直接上がることが出来るため、家族はもちろん来客動線にも配慮している
Case5 生活動線とプライバシーに配慮した平屋の間取り
この実例は、生活動線はもちろん平屋ならではのプライバシーに配慮した間取り例です。
POINT
- 玄関の左右にプライベートとパブリックスペースを分けており、水回りを真ん中に配置して使い勝手良い動線計画にも配慮した
- 回遊動線にすることで、何処に行くにも最短ルートでたどりつくことが出来るためタイパ(時短)にも配慮している
- 朝の通期通学の混雑に対応するためメインの洗面・トイレとは別に、洗面・トイレを設けて朝の忙しい時間帯にも対応している
まとめ
生活動線とひとことで言っても動線計画は家庭の状況な優先順位など検討する事が多々あるため、生活スタイルや優先順位などを家族で確認することが大事になります。しかし間取りをつくる際には、生活動線だけでなくリビングや居室のレイアウトや広さなども含めて考えるため、ある程度自分たちの要望をまとめたら経験豊富な建築士や工務店の担当者に相談して理想の間取りを手に入れてください。
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