2021.3.12 / 最終更新日 : 2024.4.19 fuji-solar デザイン

家事楽＋収納力を叶えるランドリールーム｜間取り設計ポイント

近年、広くて機能的な洗面・脱衣所を兼ねたランドリルーム（ランドリースペース）の需要が高まっています。

洗濯という家事は、毎日必要でありながら、その工程は長く洗濯機に入れてからでも、干して・取り込んで・畳んで・片づけるまでの手間や時間がかかるものです。その上、アイロンがけが必要な衣類があったり、洗濯物の量が多くて2・3回洗濯機を回す必要があったり…なかなか労力のいる家事なのです。

そのため、この洗濯動線を短く設計したランドリールームがあれば、部屋干しはもちろん、アイロンがけや片付け・仕上げまでの作業をこの空間で完結させることができます。

洗濯物のために家の中を移動し続けたり、天気に左右されたりすることのない快適なランドリー空間は、家事楽や時短を求める共働き家族にも人気で、家事シェアに役立つ間取り設計としてもおすすめです。

今回は、使い勝手のよいランドリールームの性能と家事・収納アイデア、便利な設備についてご紹介いたします。ぜひ、家事楽が叶う家づくりの参考にしてみてください。

ランドリールームが支持を集める理由｜使い勝手がよくなる設計アイデアは？

まずは、使い勝手のよいランドリールームが支持を集めている理由から探っていきましょう。

理由その①　共働き家族が増え続ける中、家事に時間をかける人材・余裕がなくなっているという事実があります。また、出勤時間や帰宅時間の都合で、室内干しや夜間の洗濯を選ぶご家庭も増えています。そうなると、天気や時間に影響されないランドリールームのニーズが高まる理由がよく分かります。共働きだからこそ、家事に時間や労力をかけないアイデアを活かして「心の余裕」を生む家事動線が重視されているのです。

理由その②　これからの時期、特に気になる花粉や黄砂・PM2.5の大気汚染による外気リスクから洗濯物を守るためにランドリールームが求められる場合もあります。年間を通して観測されるスギやヒノキ、ブタクサ、イネによるアレルギーや衣服を外に干すことへの抵抗など、健康被害や洗濯物の安全性を考えて、室内で洗濯作業・洗濯物の管理ができる環境を整えることが理想かもしれません。

その結果、ランドリールームの機能性や設備によりこだわった設計を好むご家族が増えているのです。

・室内干しスペース

ランドリールームを設ける上で気になるポイントは、室内干しスペースの広さや配置ではないでしょうか？

他の家事との兼ね合いや動線をふまえて、キッチンの近くにランドリールームを設ける間取りが人気です。

忙しい朝の準備や夕食前後のお風呂支度など、着替えを洗濯に出す・使いたい衣類を出すといった作業の効率を高めるために、キッチンとのつながりを考えることで、行き来する時間や手間を省くことができます。

また、休日や天気のいい日は外干しがいいと考えるご家庭には、ベランダやサンルームに近い配置がおすすめです。

次に、ランドリールームの適切な室内干しスペースについて考えてみましょう。

例えば3～4人家族の洗濯物が約6㎏と考えた場合、約2畳のスペース確保が目安になります。約2畳の広さがあれば、2mの物干し竿を2本備える設計が叶います。他にもアイロンがけ台を置くスペースや洗剤などの洗濯用品を収納するスペースの確保を考えて、サイズ・レイアウト設計することをおすすめします。

・収納スペース

独立したランドリールーム以外にも洗面所や脱衣所と兼用するランドリールームを設ける場合もあります。

その場合、ご家族が移動するスペースや便利な収納動線もよく検討しておくとよいでしょう。

例えば、ご家族が洗面やお風呂上りに使うタオルや衣類を兼用ランドリールームに設置した収納棚にしまえる設計にしておけば、洗濯後の片付けも取り出しも同じ空間で済むので、とても便利です。また、洗濯に使う洗剤や柔軟剤といった洗濯グッズの使い勝手のよい壁面棚やストックを収納するスペースがあれば、さらに快適です。

近年では、ランドリールーム横にファミリークローゼットを設けて、このような生活動線の機能を活用しながら、洗面・脱衣所をスッキリ広々と見せる設計も人気です。

ランドリースペースの実例を見る

家事楽を叶えるランドリールームには収納と動線が必須？

ランドリールームの機能性を高めるために、ランドリールームから見た他の空間とのつながりを確認していきましょう。

・収納アイデア

先ほども少し触れましたが、ランドリールームに隣接するカタチのウォークインークローゼットを設計して、家族の着替えやバス用品をすぐそばに収納できるファミリークローゼットとして利用すると便利です。

ランドリールームで洗濯・乾燥・畳んだものを最短移動で片付けられるので、家事を行う家族にとっても、洗濯物を使う家族にとっても勝手のよい動線が叶います。ファミリークローゼットは、ランドリールームの収納スペースだけでは、足りないご家族全員分の大容量の衣類を収納できるメリットがあります。

また、このファミリークローゼットをウォークスルータイプにすることで、収納場所からの折り返し動線がなくなり、次の家事に移りやすい間取りが完成します。

・家事効率アイデア

ランドリールームの横やバックサイドにキッチンを配置することで、料理や食事の片付けのちょっとした合間に洗濯作業を行うことができます。

他にも、洗濯物が座って畳めるスペースやお子様のプレイルーム・学習スペースをサイドに配置することで、忙しい家事の合間でもご家族の様子をそばで見ながら、家事を進めることができます。

日常の家事の流れや段取りを見直して、そばにどんなスペースがあると便利か考えてみるとよいでしょう。

ワンフロアの感覚を維持して、より家事効率の高まる家事空間をつなげることで、忙しい共働きでも家族との時間を大切にできる住まいが完成するでしょう。

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湿気が気になる｜ランドリールームに必要な設備とは

・湿気問題

室内干しでよくある問題に、「乾きが悪い」「生乾きの臭いが気になる」「洗濯乾燥にコストがかかりそう」「部屋の湿度やカビの発生が心配」などが挙げられます。

洗濯物が乾きやすく、快適な空調が保たれるランドリールームをつくるには、どのような設備が必要なのでしょうか？

陽の光や自然の風のない室内干しでは、換気扇＋部屋干しファンで約14時間、換気扇と除湿器で約8時間かかると言われています。湿気がたまりやすいスペースであるため、洗濯物が思うように乾かないことを想定して、除湿乾燥機を取り付けておく手もあります。

住まい全館空調を利用しながら、除湿・乾燥機をうまく活用して快適なランドリールームを完成させましょう。

建築時に、洗濯効率を考えた物干しユニットを天井に設置することで、丈夫で使い勝手のよい目立ち過ぎないレイアウトにするのもポイントです。

おしゃれで快適・ランドリールームの施工実例

家事動線を考えた便利なランドリールームの実例・デザインをご紹介しましょう。

実例①　キッチンとの動線が便利【明るく開放的なランドリールーム】

明るいアクセントクロスが印象的な独立タイプのランドリールームです。

洗濯物を取り出してから干すまでの距離が近く、風通しのよい入口に設置した物干しユニットと除湿・乾燥機のレイアウトにこだわった、湿気のこもりにくい設計です。

外に干す場合でも、キッチンを通過して一直線に窓に向かえる便利な間取りを叶えました。

実例②　キッチン＋ダイニング＋ランドリールームを一直線上に配置

収納スペース兼用のランドリールームは、ダイニングテーブルを挟み一直線上にキッチンを配置しました。

家事の中でも手間や時間のかかる料理や洗濯を効率よく行うための最短移動が可能な間取りづくりです。家事機能を高めつつ、ダイニング使用時には引き戸で目隠しができるランドリールームに仕上げました。

実例③　キッチンから見たランドリールーム

キッチンからダイレクトにつながるランドリールームです。

隣接した配置なので、それぞれの家事作業の合間に簡単に行き来のできる家事楽・時短につながる設計です。濡れて重くなった洗濯物を遠くまで運ぶ必要もなく、労力も移動時間も削減できる嬉しい配置です。

来客時には、ドアを閉めて洗濯物をスッキリと隠してしまうことも可能です。

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まとめ

共働き世帯だけではなく、人数の多いご家族やご高齢のご家族にとっても手間や労力、時間のかかる洗濯作業。

洗濯物を持って家の中、上下階を移動せずに済むランドリールームがあれば、干す、取り込む時だけではなく、畳んで収納するまでの動線をひとまとめにすることが可能です。家事楽・時短な間取りを考えるということは、ご家族の大切な時間だけではなく、「心のゆとり」を確保するということです。

ぜひ、快適な家づくりに日常の家事や生活を楽にしてくれるアイデアを活かしてみてください。

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