注文住宅購入の流れと期間を解説|理想の家を手に入れる計画ポイント
自由な間取りやおしゃれな外観、こだわりの暮らしが手に入る注文住宅。
満足のいくマイホームを建てるためには、どのようなスケジュールで、どれくらいの期間がかかるのかなど、事前によく把握した上で家づくりをスタートさせることが大切です。
今回は、スムーズに注文住宅の検討を進めるために必要な、設計の流れや完成までの期間、準備しておくべき費用、資金計画の方法などを解説します。
ぜひ、理想の会社選びやプランづくりの参考にしてみてくださいね。
- 注文住宅購入のスケジュールや期間に関する基本を知ることができます。
- 注文住宅を建てるのに必要な費用について解説します。
- 理想の家づくりを進める流れや資金計画の注意ポイントを紹介します。
注文住宅を建てる流れと期間
間取りやデザインにこだわる注文住宅を建てる場合、一般的にスタートから完成まで「約9か月から1年前後」かかるのが目安です。
着工から引渡しまでは4~6か月かかるのが平均的ですが、土地・会社選びに時間がかかったり、打ち合わせの回数が増えたりするとスケジュール全体がずれ込んできます。
入園や入学、転勤など入居のタイミングを合わせたい場合には、早めからの計画実行がおすすめです。
それでは、注文住宅を建てるまでの流れと、着工から完成・引渡しまでの期間について順番に解説していきましょう。
①予算と建築イメージの検討
まず、家づくりを始めるにあたり建物の建築イメージや予算をどれくらいに設定するかを検討します。
予算を考える際には、注文住宅の建築にかかる費用と住宅ローンで借りられる額を押さえておく必要があります。
- ・【注文住宅にかかる費用】:「本体工事費+その他工事費+諸経費」に土地代がかかります。
- ・【住宅ローンの借入額】:金融機関が提供する「住宅ローンのシュミレーション」で調べることができます。
また、建築イメージを定めておけば、今後打ち合わせを進めていく際にもスムーズです。
- ・複数社の施工実例やモデルハウスを参考に、理想の間取りやデザインをピックアップする
- ・実際の住宅街や展示場などを参考に、外観スタイルに採用したいテイストを決める
例) シンプルモダン、アーリーアメリカン、和モダン、北欧テイストなど
- ・家族構成やライフスタイル、ご家族一人一人の要望をまとめる
例) 家事動線のいい間取り、収納の使い勝手、気密性・断熱性、耐震性、間取りの自由度など
②土地探し・建築会社選び
大まかな予算や理想の建築イメージが決まれば、土地探しや建築会社選びに進みます。
すでに土地がある場合は、その環境や敷地に合う建築プランが優先される可能性がありますが、これから土地を探す場合には「建築条件付き土地」などがあることにも注意して、ハウスメーカーや工務店に予算や建築イメージに合いそうな土地をピックアップしてもらうのもいいでしょう。
③間取りプランの依頼・見積もり提示
この段階で、気になるハウスメーカーや工務店が数社見付かったら、相談・打ち合わせを行った上で、間取りプランや見積書の作成を依頼してみましょう。
- ・概算見積り
- ・資金計画書
- ・間取り図
できるだけ詳細なイメージや要望を伝えておくことで、最終的に提示される見積もり額が大幅にアップして困るといった事態を避けることができます。
④工事請負契約
注文住宅を依頼する建築会社が決まれば、今後の工事請負契約を結びます。
設備や仕様のグレードアップにかかる追加費用、プランの変更やキャンセル時の対応などを含む契約内容をよく確認して納得した上で契約に進むようにしましょう。
なお、注意しなければいけないのが「仮契約」を締結すること。仮が付いていてもこの立派な契約になるため、万一解約を申し出た時でも一般的な契約を解約する手続きと変わりません。複数契約締結は仮であっても違約対象にもなるのでご注意ください。
⑤詳細な建築プランを決定
工事請負契約を終えると、さらに綿密な打ち合わせを重ねてプランの詳細を決めていきます。
最終的な間取りや設備、インテリアデザイン、外観などの決定はもちろん、以下の調査や契約を進めていきます。
- ・「地盤調査」を行い、必要であれば地盤改良工事を見積もりに反映させる
- ・金融機関を決めて、「住宅ローン」の事前審査を申し込む
- ・建築プランに問題がないか「建築確認」を市区町村に申請する
- ・「建築確認」や「住宅ローン」の事前審査が通れば、本審査を受けて金融機関との契約を結ぶ
⑥着工
工事を始める前に、工事用重機の通過や駐車、騒音の発生に対する配慮のお願いをするため、近隣住民へ挨拶に行います。
また、施主によっては着工前の安全祈願「地鎮祭」や骨組み完成後の「上棟式」を行う計画を立てる場合もあります。
工事が建築プランやスケジュール通りに進んでいるか、時々現場を見に行って確認するのもいいでしょう。
⑦完成・引渡し
建物が完成したら、建築確認申請通りに建てられているかを確認する「完了調査」を受けて「検査済証」を発行してもらいます。
また、引渡し前には内装や設備などに不具合がないか、施主立ち合いのもと最終的な確認を行います。
注文住宅を建てるのにかかる費用
予算決めの解説時に少し触れましたが、注文住宅を建てる際には「本体工事費+その他工事費+諸経費」が必要になります。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
本体工事費
建築総予算の約70%を占める本体工事費は、いわゆる建築費と言われる部分で、注文住宅を建てる場合の相場としては1,600~3,800万円が1番選ばれている価格帯です。
本体工事費用に含まれる工事の内容には、仮設工時・基礎・構造体・屋根・内外装・窓やドア・設備・断熱材・電線の配線や水道管の配管などがあります。
その他工事費(付帯工事費・別途工事費)
付帯工事費や別途工事費と呼ばれる、その他工事費は、建築総予算の約20%にあたる部分です。
住まいである建物以外の工事にかかる費用ですが、注文住宅を建てる地盤の状態や外構プランによって工事の規模や費用が異なります。
- ・地盤改良工事費用
- ・基礎補強工事関連費用
- ・インテリア関連費用
- ・水道管やガス管の引き込み工事費用
- ・庭や駐車場の工事費用
- ・エクステリア関連費用
また、古い家を建て替えて新築する場合には、木造住宅で坪単価約3~5万円の解体工事費も必要です。
諸経費
設計料を除く諸経費は、建築総予算の約10%にあたる部分で約100~150万円かかります。
建築会社によっては、はじめに提示される概算見積りにこの諸経費が含まれていないケースもあるので注意が必要です。
- ・登記費用
- ・印紙代
- ・登録免許税
- ・建築確認申請費用
- ・住宅ローン手数料・保証料
- ・つなぎ融資費用
- ・火災・地震保険料
- ・水道負担金など
また、諸経費に含まれる「その他費用」としては、仮住まいの費用や引っ越し費用、地鎮祭や上棟式にかかる費用などが挙げられます。
理想のマイホーム資金計画と注意ポイント
最後に、注文住宅購入に関するスケジュールや必要書類、住宅ローン、また建築後にかかる費用について解説します。
ぜひ資金計画の参考にしてみてください。
注文住宅の支払いスケジュール
注文住宅の建築費用は、一般的に建築会社が指定する条件に応じて3・4回に分けて支払うシステムです。
支払いスケジュールの例)
- ・工事請負契約: 工事費用の約10%
- ・着工: 工事費用の約30%
- ・着工から完成・引渡しまでの期間: 工事費用の約30%
- ・完成・引渡し: 工事費用の約30%
住宅ローンの流れ
住宅ローンを利用する場合、完成・引渡しから正式に融資が開始されます。
また、完成・引渡しまでに融資が必要な場合は「つなぎ融資」を利用します。
つなぎ融資は、住宅ローンが開始されるまでの短期間に利用できるローンで、この借入資金は住宅ローンが始まってから返済します。つまり、完成・引渡し後は住宅ローン単独の借入となります。
注文住宅購入に必要な書類
注文住宅を計画する際、すでに土地を所有している場合は「測量図」を用意しておくとスムーズです。
その他、住宅ローンの審査・契約時に必要な書類も準備しておきましょう。
- ・本人確認書類
- ・所得証明書
- ・間取り図や見積り書
- ・印鑑証明・住民票
- ・返済予定表・残高証明書(他の借入がある場合)
家を建てた後にかかる費用にも注意
注文住宅の建築後には、住宅ローンの返済以外にも費用が発生するので注意が必要です。
土地や住宅購入後に1度だけ課税される「不動産取得税」や毎年の「固定資産税」「都市計画税」などの税金に加えて、火災保険料や地震保険料などの備えも確認しておきましょう。
また、将来のメンテナンスや修繕にかかる費用の貯えも視野に入れておきましょう。
まとめ│基本を知って理想の注文住宅を手に入れる
>施工事例:開放的なリビングにオシャレな空間、妥協せずに夢を叶えた平屋の家
注文住宅購入の流れと必要期間、建築工事に必要な費用や資金計画の注意ポイントについて解説してきました。
注文住宅は、ご家族のライフスタイルや希望を反映させた間取りやデザインが叶うため、こだわりの暮らしを実現させたい方におすすめの家づくりプランです。
ぜひ、下調べの段階からじっくりと複数社の設計や見積りプランを比較して、よりご家族の理想に合う建築会社探しをはじめ、無理のないプランニングや資金計画を進めていってくださいね。
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