注文住宅の階段|機能やデザインを解説
注文住宅の間取りの希望では、多くの方がリビングや寝室の広さや家事動線など生活のシーンを思い浮かべながら理想の家を考えることが多いです。しかし、階段のことを考えることはあまりないかもしれません。もっとも2階建て以上の家には必ず階段を設置します。階段は毎日使いますし生活動線の重要に一部になるため、階段の形状や配置はととても重要なポイントになってきます。階段についての基礎知識を解説していきます。
1.階段の基本形状
最初に階段の形状について解説します。階段は大きく分けて4つの形状があります。ここでは形状に合わせた特長を解説していきます。
①直階段
途中で向きを変えることなく昇降できる階段です。直階段は設置スペースが少なくて済みますが、勾配が急になると昇り降りに不安があります。また、階段を踏み外すと下まで落ちてしまう可能性あるため、手すりや踏板のすべり止め対策などを検討しておくとよいです。
②かね折れ階段
階段の途中で90度向きを変えるL型形状の階段です。階段途中に踊り場をつくる分面積を取りますが、足を踏み外した時に、途中の踊り場があるため、直快階段と比較して落下による事故の可能性は少なくなります。
③折り返し階段
折り返し階段はかね折り階段よりさらに向きをかえて、その名の通り180度折り返す階段の形状です。踊り場を設けることで安全性がさらに高まる形状であり一方で設置面積が広くなるため踊り場を作らない折り返し階段も多いです。1階と2階の立ち位置が同じ場所になるため、2階の部屋を放射状に配置しやすくなり、廊下が少なく計画がしやすい形状です。
④らせん階段
らせん階段はらせん状になってまわりながら昇り降りする階段です。意匠性が高くインテリアの一部に取り入れてお洒落な雰囲気を演出します。設置スペースが小さく済むため狭小住宅にも採用される階段です。支柱に踏板を差し込む構造上、階段の内側を歩くと狭くて危ないことや、常に体の向きを変えながら昇り降りするため安全性は他の階段と比べて低いといえます。
2.階段部位の名前について
階段の各部位の名前を紹介します。階段には細かく名称があるため階段の基礎知識を理解するうえでとても大事です。
①側桁(がわげた)
側桁とは、階段の両側にある斜めの板のことで踏板を側桁に差し込むことで固定します。側桁を両側に使った階段を側桁階段にいいます。
②踏板(ふみいた)
③踏面(ふみづら)
踏板は足をのせるための板のことで段板ともいいます。また、足をのせる範囲を踏面といいます。板の奥行が少ないとしっかり足が固定されないため、建築基準法では踏面を15cm以上と定められています。しかし足のサイズを考えると実際には20㎝~30㎝位が望ましいところです。
④蹴上(けあげ)
蹴上とは階段の一段一段の高さをいいます。建築基準法では蹴上は23㎝以下と定められています。しかし、建築基準法はあくまで最低限のルールを記しているため23㎝だと少し急勾配に感じる角度になります。一方で蹴上を低く抑えすぎると階段の段数を増やしたり、足の移動が細かくなるため16㎝~20㎝位が望ましいところです。
⑤段鼻(だんばな)
踏板の先端を段鼻といいます。滑り止め等を付ける部分にもなります。
⑥蹴込板(けこみいた)
⑦蹴込(けこみ)
蹴込とは下段の踏板と蹴込板の間の、踏板の入り込んだ部分のことです。蹴込があることで階段が昇りやすくなり階段の踏板と踏板の間にある垂直の板を蹴込板いいます。蹴込板があることで、階段でのつまずき防止や階段を降りるときの恐怖感を和らげることができます。蹴込板を外した階段をオープン階段と呼んでいます。
3.階段の種類と実例紹介
階段の形状や名称を解説してきました。これからは、機能性かデザイン性かを考えながら実際の階段の種類と施工実例を紹介します。
①箱型(ボックス階段)階段
踏板と蹴込を連続させて、箱を積み上げたように見える階段です。階段下は、棚を入れたり収納やトイレを入れたりできるため、無駄なく空間が利用できることができます。また、オープン階段と比べて施工費が安価なため、一般住宅において最も普及している階段です。
両側に側桁を使った側桁階段。一般的な斜めの壁手すりにはせず、階段の手すりを部分的にくりぬきアクセントにウォールに。形状はL型のかね折れ階段にして、約1.5帖大の吹き抜けを絡めて階段上に配置した窓からの採光も期待できるよう工夫しています。
コの字に組み立てた折り返し階段の施工例。階段のスタート部に化粧手すりを設けており意匠性を高めています。階段真ん中の吹き抜け部分にカウンターを設けて植栽を飾るなどインテリア性に富んだ階段に仕上がりました。なお、1枚の踊り場は設けず30度と60度の2段階段で踊り場を設けています。
片側は側桁を使わずに階段の断面を見えるようにする、踏板がひな壇のように見えることからひな壇階段と呼ばれています。側面の壁がないため手すりの選択により開放感が生まれ、インテリアの一部に感じることができます。吹き抜けとの相性がよく、蹴込があるため階段下の利用もできることから収納などの提案もそのまま可能なこともメリットです。
洋風手すりを採用したひな壇階段を採用した直階段の施工例。階段から2階ホールの手すりまで同じ手すりを連続させることで一体感とおしゃれ感を演出します。この実例は途中に踊り場を設けて昇り降りの時の安全性にも配慮しています。
②オープン階段
蹴込板がなく踏板のみで構成されている階段をオープン階段といい、スケルトン階段、シースルー階段、スリット階段などとも呼ばれています。。目線が抜けるため開放感が生まれるだけでなく、光を取り込むことができるのでインテリア性が抜群です。最近では様々な建材メーカーからオープン階段の製品が発売されており、木製、アルミ、鉄など素材から手すりの種類も豊富にあるため雰囲気の良い階段を絡めた施工例が増えています。
大工さんが製作したオリジナルのオープン階段の事例。見所は、側桁を使用せずに踏板を両側を壁に差し込むことで踏板以外の部材が見えない、すっきりした仕上がりになりました。
木製のオープン階段は、木製のささら桁(踏板を支える階段状に加工した板)で踏板を支える構造で、木製のため比較的安価にできるのが特徴です。オープン階段を外壁面に設置した場合でも窓はそのまま配置できるので、階段ごしに光が差し込み明るい室内ができます。
アルミフレームでつくられたオープン階段。踏板を支えるささら桁とガラスの手すりを固定する柱がアルミ製なので一体感があり、すっきりした印象に仕上がります。手すりはガラスパネル、アクリルパネル、アルミ柱の組み合わせで様々な表情の部材が用意されています。
スチール(鉄)製のオープン階段の魅力は何といってもフレームの美しさです。フレームが他の素材より細くできるためすっきりした印象になります。素材に強度があるので、こちらの施工例はささら桁を使用せずに壁に差し込んだ片持ちのフレームで持たせています。
5.まとめ 階段に求める機能やデザインを考えておく
いままで解説から、階段は昇降時に起こりえる事故への配慮やバリアフリー性の確保を考える一方で、見た目がおしゃれなデザイン階段にすることで家のインテリアの中心になる重要な部位になります。計画している途中で階段の要望や希望が変わると、間取り自体が大きく変わってしまうことからも、階段に求める使い勝手やデザイン性をまとめておくと良いでしょう。
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