ツーバイフォー工法の特徴とは|在来工法との違いと構造の活かし方
注文住宅をご検討中の方なら、ツーバイフォー(2×4)という工法をよく耳にするのではないでしょうか。
ツーバイフォー工法を採用した注文住宅は耐震性や耐風性に優れ、冷暖房効率のいい高気密・高断熱住宅での暮らしを実現するのにおすすめの工法です。
今回はそんな、ツーバイフォー工法の家の特徴をはじめ、在来工法(木造軸組工法)との見分け方、2×4工法を活かしたおしゃれな注文住宅実例をご紹介していきます。
最後に、ツーバイフォー工法のメリット・デメリットと対策方法もまとめていますので、ぜひ工法選びや間取り設計の参考にしてみてくださいね。
- ツーバイフォー工法の特徴や在来工法との違いを知ることができます。
- 2×4工法で建てた住まいの実例をご紹介します。
- ツーバイフォー工法のメリット・デメリットと対策方法を押さえておきましょう。
ツーバイフォー工法(2×4工法)とは
床や壁で建物を支える「面構造」
ツーバイフォー工法(2×4工法)の大きな特徴は、壁や床などの面で建物を支える「面構造」であるポイントです。
2×4工法(枠組壁工法)は、その名の通りサイズ約2インチ×約4インチの木材を組んだ枠組みに、構造用面材を接合した剛性の高い版を構成して、それらを専用の金具などを使って頑丈なモノコック構造を形成していく工法です。
構造用製材の規格
ツーバイフォー工法の壁版と床版に使う「構造用製材」には、2×4材以外にも2×6材や2×10材などの資材規格があります。
規格材の名称 | サイズ |
---|---|
2×4材 | 38mm×89mm |
2×6材 | 38mm×140mm |
2×8材 | 38mm×184mm |
2×10材 | 38mm×235mm |
2×12材 | 38mm×286mm |
4×4材 | 89mm×89mm |
例えば、強度を高めたい2階以上の床材には2×10材を採用し、断熱性を高めたい外壁材には2×6材を選択するなど、使用する場所によって規格材を使い分けています。
在来工法との見分け方は?
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在来工法(木造軸組工法)との違い
在来工法の住まいは、柱と梁で構成する工法のため、比較的自由度が高い一方、柱や梁の大きさが会社によってまちまちな上に設計ルールも、建築会社や建築士が独自で決めていることが多いため性能や特徴には大きなばらつきがあります。。一方、ツーバイフォー工法は北米から工法を導入するにあたり、マニュアルやルールを制定したためルールを守った計画した建物は、本来持つ耐震性などの性能が担保される住まいになります。
在来工法を選ぶ場合は、どのような特徴をもった在来工法を採用しているかを確認することが重要です。
外観での見分け方
ツーバイフォー工法は決まった階高でつくられるのに対して、在来工法は階高や梁など会社によってまちまちなため外観で見分けることは非常に難しいです。ただし2階が2.4mで構成される場合、在来工法が吊木などを使うのに対して天井根太に直に石膏ボードを張るため、2階の窓と屋根の軒の位置が短いのが特徴です。
【実例】2×4工法で建てる注文住宅
ツーバイフォー工法で建てる、おすすめの注文住宅実例を見てみましょう。
アメリカンスタイルの外観
ツーバイフォー工法は、建物の下部から造り上げていくのが特徴です。
①1階床→ ②1階壁→ ③2階床→ ④2階壁→ ⑤2階天井→ ⑥屋根
と段階的に積み上げていく工法のため、一日で柱をくみ上げる在来工法のような棟上げ(上棟)という概念がありません。もっとも、屋根パネルまで仕上がった段階を棟上げ捉えて上棟式などを行うケースもあります。
直線がかっこいいキューブスタイル
ツーバイフォー住宅は、モダン色の強いキューブスタイルの外観や凹凸の少ないすっきりとした間取りも得意。
建材と金具や金材で接合するため、地震や台風による外力にも高い耐性を発揮して家具や家屋の倒壊や損傷の被害を最小限に抑えることができます。
開放的な吹き抜けとロフト
吹き抜けをつくる場合、吹き抜け壁には剛性を高めるツーバイシックス材を採用します。そのため、在来工法では必要になるコーナーの火打ち材が不要になるため、スッキリした空間に仕上がります。
木造ツーバイフォー工法のメリット
木造注文住宅でツーバイフォー工法を採用するメリットを見てみましょう。
耐震性・耐久性がある
ツーバイフォー工法は、剛性の高い床版や壁版などを組むことで、強度の高い六面体構造を造ります。
そのため、地震による縦揺れや横揺れといった外力を受け止める力を分散させて、建物の変形やねじれを防ぐことができます。
またツーバイフォー住宅では、JASに基づく含水率19%以下の乾燥材を構造用製材として扱うため、耐久性に優れた住まいを建築するのにも有利です。
耐火性がある
ツーバイフォー工法を採用する場合、各部屋の壁や天井の内側全体に暑さ約12.5㎜以上の石膏ボードを貼るのが一般的です。
この石膏ボードは、中に含まれる結晶水の影響で炎にあたると熱分解を起こし、20分程の間水蒸気を発散し続けます。
そのため、仮に火災が発生しても構造材が燃えるまでの時間を大幅に遅らせたり、火の燃え広がりを抑えたりすることが可能です。火災に強いことでツーバイフォー工法は省令準耐火構造に該当しており、保険料が一般木造より割安になります。
省エネに有利な「気密・断熱性」
ツーバイフォーの六面体構造は、壁と床に隙間が少ないため構造体自体が気密性に優れています。さらに断熱材をくまなく敷きこむことで容易に断熱性能を引き上げやすいため、気密・断熱性能にこだわる方には有利な工法です。壁の厚みが140mmになるツーバイシックス工法なら、さらに性能を引き上げます。
遮音性がある
気密性の高いツーバイフォー住宅は、建物の外壁材から構造用面材や断熱材、石膏ボードなどさまざまな素材の多重構造であるため、屋内外からの音の漏れを抑える遮音性にも優れています。一方室内間の音の反響はしやすい構造のため、階間の遮音対策は重要になってきます。
ロフト・小屋裏収納がつくりやすい
ツーバイフォー工法なら、屋根裏の構造をシンプルに仕上げることができるため、小さな書斎や趣味室、お子様の秘密基地、収納として活用できるロフト・小屋裏収納をつくるのにも適しています。
木造ツーバイフォー工法のデメリットと対策
ツーバイフォー工法で木造注文住宅を建てる際のデメリットと対策方法も押さえておきましょう。
建築コストの削減が難しい
ツーバイフォー工法で注文住宅を建てる場合、構造体にJASやJIS適合の部材を使うことや使用する箇所に使う材が決まっているため、構造体部分で価格の調整をするのは難しいです。
ただし、これは裏を返せばコストダウンのために品質や材料を調整できないツーバイフォー工法で建てた住まいは、住まいの価格に関わらず安心・安全が確保された家になると言えるのではないでしょうか。
開口部の制約がある
パネル状の床や壁、天井を組み立ててつくる工法なので開口部の広さやデザインに制限があります。もっとも、耐力壁区画内の開口部が最大4mまでが可能のため、一般住宅の設計ではほとんど制約を実感することはありません。建築士の裁量に任せる在来工法とは違い、ルールに即した家づくりでご家族の安心感にもつながる空間設計に役立てるのもいいでしょう。
リノベーションに制限がある
壁や床で住まいの構造を支えるツーバイフォー住宅の場合、在来工法のように柱や梁だけを残した大規模リフォームやリノベーションを行うのは難しく、さらにルールを把握していない建築士にリノベーションを依頼すると、構造耐力の低下を招く恐れがあります。
家族構成やライフスタイルの大幅な変更で大規模なリノベーションを検討する場合は、ツーバイフォー工法に熟知した建築士に相談するとよいでしょう。
まとめ│ツーバイフォー工法の特徴を活かした家づくり
ツーバイフォー工法の特徴や在来工法との違いや、メリット・デメリットを活かしたおしゃれな注文住宅実例をご紹介してきました。
ツーバイフォー住宅は、高い耐震性や耐久性、耐火性、気密性・断熱性、遮音性など安心・安全な家づくりに欠かせない重要なポイントを押さえた魅力的な工法の家です。
これからこだわりの注文住宅を建てようと考えているが「在来工法とツーバイフォー工法のどちらを選ぶべきか悩んでいる」「もっと詳しくメリットやデメリットの説明を受けたい」という場合は、ぜひ私たち不二建設にお気軽にご相談ください。2つの工法に対応している当社だからこそ、公平な説明をすることが可能です。
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