理想と現実のギャップを埋める|家のサイズ感を見誤らないための徹底解説

部屋の広さを感じる吹き抜け サイズ感のギャップをなくす実例

注文住宅で最もイメージの違いや実際の使い勝手で後悔が多いのが「サイズ感のギャップ」です。図面では広く感じたのに実際に住んでみると「狭い」「広すぎた」「使いにくい」と感じるケースも。このギャップを解消するには、坪数や帖(畳)数などの数字だけではなく「体感」「具体的な生活」にした基づいた計画が不可欠です。家のサイズ感をしっかり把握して、適正なサイズ感を家を手に入れる方法を解説していきます。


1. ギャップが生まれる原因:なぜ図面は実物より広く見えるのか

間取り図だけではイメージと実際のギャップが分からない

はじめて図面を見た時におさえておきたいワードが「錯覚」と「情報不足」によるサイズ感のギャップです。ギャップが生まれる原因と理由を知っておくと、実物とのイメージの違いを軽減できます。

① 図面と3Dパースの「魔術」

設計図はあくまで線と数字の世界です。広さの目安となる帖(畳)数も、家具や人が入らない状態での面積の上、生活空間としての体感がどうしても異なります。

  • 家具の省略:図面や3Dパースに描かれている家具は、そもそも無いか意図的に小さめに描かれていたり最低限しか配置されていないことがあるため、いざ自分の家具(例:3人掛けソファやテーブルなど)を置くと、想定外にスペースを占有してしまうことがあります。
  • 広角効果:3Dパースは、広角レンズや意図的な視点(部屋の隅から対角線を見たアングル)で作成されることもあり、実際よりも奥行きと広がりがあるように見えます
② 天井高と窓の「錯覚」

同じ床面積でも、天井の高さや窓の取り方によって、空間の印象は大きくに変わります。

  • 天井高: 一般的な天井高(2.4m前後)より数センチ低いだけで圧迫感が生じます。逆に、吹き抜けや高天井は、床面積が同じでも開放感により実際より広く感じさせます
  • 視線の抜け: 窓が小さかったり、壁が多かったりすると視線が遮られ、部屋が閉鎖的に見えます。窓から外の景色や空に視線が抜ける設計は、空間を外まで広げたような錯覚を生みます。

2. サイズ感のギャップを解消するための具体的対策

 

図面や3Dパースの確認と並行して、「体感」と「シミュレーション」の2つの側面からサイズ感のギャップを解消する対策を講じましょう。

対策①:数字から離れて「体感」を養う
方法 詳細な手順と効果 具体的な例
 実際の家で広さを「記憶」する モデルハウス完成見学会で、LDK、寝室、洗面所などの帖数を記憶します。自分の快適な広さの基準を「数字」ではなく「感覚」として脳にインプットします。 「この18畳リビングは快適だけど、同じ畳数でも天井が低いと狭く感じる」と体感し、設計に反映させる。
 現在の家で寸法を再現する 新しい家に置きたい大型家具の配置をシミュレーションし、その家具を置いた後の通路幅動線が確保できるか確認します。 図面上のキッチンの幅をメジャーで測り、現在のキッチンに立てる段ボールやテープで再現し、冷蔵庫や食器棚との間で作業するスペース(2人で作業する場合は重なることも想定する)をチェックする。
 「歩数」で動線距離を確認する 日常生活の動きを具体的に想定し、歩数で距離を測ります。特に家事動線(キッチン→パントリー→洗面所など)は短く、生活動線(ソファ→トイレなど)は適切な距離感を保てているか確認します。 「洗濯機から物干し場まで5歩以内」や「玄関からリビングまで10歩程度」など、具体的な目標歩数を設定し、図面上の距離と照合する。
対策②:シミュレーションで「生活」を可視化する
視点 チェックポイントと解消法 失敗しやすい例
家具配置後の動線 図面上の家具配置は、最小限のスペースで描かれていることが多いです。実際に置くソファとテレビの距離、ダイニングチェアの引きしろ、収納扉の開閉スペースを確認します。 18畳LDKでも、大型ソファとダイニングテーブルを置いたら、通路幅が●●程度しか残らず、常に体を横向きにして歩くことになった。
収納の奥行きと機能 収納は「広さ」ではなく「使いやすさ」が命です。収納する物の種類サイズをリスト化し、奥行きや棚の高さが適切か確認します。 ウォークインクローゼットの通路が広すぎて面積が無駄になったり、棚の奥行きが深すぎて奥の服が取り出しにくくなったりした。パントリーが広すぎて、デッドスペースが生まれた。
設備のサイズと配置 冷蔵庫、洗濯機、食洗機などの大型設備実機サイズを考慮します。特に造り付けの家具ニッチは、将来の買い替えも視野に入れます。 洗面所のドア幅や通路幅が狭く、ドラム式洗濯機が入らなかった。造り付けのテレビボードに合わせたテレビを数年後に買い替えたら、サイズが合わずバランスが悪くなった。
窓と壁のバランス 大きな窓は開放的ですが、その分壁が減るため家具や収納の配置が制限されます。窓と収納スペースを確保する壁を、バランス良く配置できているか確認します。 明るさ優先で大きな窓を設けたら、本棚やチェストを置く場所がなくなり、リビングに物が溢れてかえって狭く感じた。

3. 空間を広く感じさせるための設計テクニック

 

物理的なサイズは変えられなくても、設計の工夫一つで体感的な広さは大きく変わります。

① 視覚の抜けを作る「抜け感」
  • 吹抜け・勾配天井: 空間が上方向に広がることで、床面積以上の開放感が得られます。もっとも、空調効率や音の響きには十分な対策が必要です。
  • ハイサイドライト(高窓): 高い位置に窓を設けると、天井の高さが強調されて視線が空に抜けて広がりを感じさせます。プライバシーも確保しやすいのがメリットです。
  • 室内建具(ドア)の工夫: 廊下などのドアは、可能な限り天井までのジャストドアハイドアを採用すると、視線が遮られずに空間の繋がりが強調されて広く見えます。
② 色と素材の錯覚効果
  • 壁と天井の統一: 壁紙や天井材を白や淡い色で統一すると、光を反射しやすく、空間に奥行きが生まれます。
  • フローリング材の木目方向: 奥行きを出したい部屋では、長手方向にフローリング材の木目を通すと、視覚的に長く広く感じさせることができます。
  • 家具の選択: 大型で背の高い収納家具は圧迫感を生むため、背の低いローボード壁に埋め込む収納(ニッチ)を選ぶと、部屋がスッキリ広く見えます。
③ 凹凸をなくす「平滑化」
  • 壁と収納の平滑化: 廊下の収納や壁面収納は、壁面が面一(つらいち)になるよう設計します。凹凸を減らすことで空間が分断されず、スッキリと広く感じられます。
  • 配線の隠蔽: テレビ配線などの家電の配線、コンセントなどを計画段階で壁や床の中に隠したり目立たない位置に設計することで生活感が抑えられ、空間の美しさが保たれます。

4. 計画の最終チェック:後悔しないための優先順位

最後に、ギャップ解消を確実にするために、家族の優先順位将来の変化を再確認しましょう。

 ✓最も重要視するのは何か?

    • リビングの広さか、収納量か、個室の確保なのか。全ての理想を叶えるのは難しいため、優先順位の低い要望は潔く諦める勇気も必要です。

 ✓将来の変化に対応できるか?

    • 子どもの成長に伴う部屋の仕切りや、将来の二世帯同居、老後のバリアフリー化など可変性のある間取りやスペースを確保できているか。

 ✓プロの「NO」に耳を傾ける

    • 設計士や建築会社は、数多くの成功例、失敗例を見てきています。「その配置は生活しにくい」「そのサイズの窓はおすすめしない」といった専門家の意見には、理由があります。遠慮せずに理由を尋ねて納得いくまで話し合いましょう。

家のサイズ感の失敗は、単に「狭い」だけでなく、日々の動線や収納の不便さといった生活のストレスに直結します。多角的なシミュレーションと体感を基に、理想の住まいを実現してください。

まとめ

サイズ感のギャップは、どうしても実際に見た物ではない図面やパースなどで想像する必要があるため、あるイメージすることには限界があります。身近にある家具で寸法を数値で把握するデジタル的な発想と、モデルハウスや見学会などに積極的に出向いて部屋の広がりをイメージする感覚的な発想を合わせて意識することで、ある程度ギャップを解消できるのではないでしょうか?当社では、常設モデルハウスや街かどモデル以外にも、見学会や体験会などを開催しているので、ぜひ積極的に参加されてはいかがでしょうか?

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監修者情報

吉田基生

吉田基生二級建築士 宅地建物取引士 測量士捕

卒業後に某ハウスメーカーに入社。住宅営業、住宅FC部門のOFCを経験する。1999年に地元の不二建設に入社。営業、設計担当としてお客様の家づくりに携わる一方、企画住宅の開発やホームページの管理運営、宣伝広告などの業務を行う企画開発部の部門をつとめる。