壁付けキッチンで自由なレイアウトが叶う【実例】|10~12畳のLDを叶える便利でおしゃれなキッチン空間の作り方

調理中のにおいが他の部屋に流れにくい壁付けキッチン~料理に集中しやすいおしゃれなスタイル

新築注文住宅を建てる時に、こだわりたいキッチン仕様や空間づくり。

お料理やお菓子作りが好きな人はもちろん、毎日使うキッチンは、デザイン性にも意識したおしゃれで便利な空間に仕上げたいですよね?

そこで今回紹介するのは、海外スタイルの住まいでよく目にする「壁付けキッチン」です。スタンダードなイメージのある「壁付けキッチン」ですが、すっきりとしたLDKレイアウトづくりにも役立つ魅力が注目されています。

対面キッチンとは、また違う「壁付けキッチン」のおしゃれで機能的な作り方を実例とともに明かしていきましょう。

最後に、メリット・デメリットとその対策をまとめて紹介していますので、ぜひ素敵なキッチンづくりの参考にしてみてください。

1.壁付けキッチンはおしゃれでスマートな設計

洋風のおしゃれな雰囲気を再現した壁付けキッチン~目の前の窓から景色を楽しめる設計

壁面に沿って設計されたI型の「壁付けキッチン」は、対面式のアイランドキッチンやペニンシュラキッチンのように動線を考えて、通路や幅を確保する必要がないので、間取りデザインにおいて非常に機能的です。

動線を意識した空間を省ける分、キッチンが占める床面積の消費が少なくて済むので、ダイニングやリビングを圧迫する心配がありません。

魅せるおしゃれなキッチンを設けながら、全体的に広いLDKを設計したい方に特におすすめのレイアウトです。

 

 

①壁付けキッチンの快適な広さは?

一般的な対面キッチンの場合、快適な通路幅(広さ)は、1人用で約75~80cm、複数人用で約100cmあれば良いとされています。

しかし「壁付けキッチン」スタイルの場合、キッチン専用のスペースという概念ではなく、幅をとるシステムキッチンは壁と一体化したカタチになるので、キッチン空間の閉塞感や床面積を大幅に消費する圧迫感がありません。

また、壁付けと言っても対面に景色を楽しむ窓を設けたり、お好みのタイルや調味料棚で壁をデザインしたりと、こだわりの壁面に仕上げることも可能です。

 

 

 

 

 

②壁付けキッチンがLDKレイアウトや広さに影響する重要なポイント

ご紹介の通り「壁付けキッチン」の魅力は、LDKのスペースを無駄なく配分できるポイントです。

独立した専用のスペースとして固定されないので、動線に無駄がなく、またデッドスペースを活用しやすいメリットがあります。

例えば、4人家族の場合、16~18畳ほどのLDKサイズが一般的となっています。

つまり、一般的な10~12畳のリビング・ダイニングを確保する場合、意外とキッチンのスペースは限られてきます。言い方を変えれば、キッチンスペースを広くとってしまえば、リビング・ダイニングの広さが圧迫されてしまうのです。

例えば、「壁付けキッチン」にダイニングを取り込むカタチで間取りを調節すれば、キッチン・ダイニングの便利な動線を配置しつつ、約8~10畳のゆとりあるリビングを確保することができます。

 

 

 

 

 

2.【実例】おしゃれな壁付けキッチンの間取り

壁付けキッチンから眺める自然の景色~ナチュラルで洗練された開放的なデザイン

壁面に窓を設けて外の景色を楽しんだり、換気として外の空気を取り込んだり。「壁付けキッチン」は決して古いタイプのスタイルではありません。

人気の縦長・横長LDKにおいても「壁付けキッチン」は、そのデザイン性や機能性が認められています。

それでは、「壁付けキッチン」の活躍を実例と合わせて見ていきましょう。

 

 

①縦長LDKでダイニングテーブルを活用したキッチン空間【実例】

壁付けL字キッチンでダイニングテーブルも兼ねた機能的なデザイン~シンプルでスタイリッシュなキッチンスタイル

L字の壁付けキッチンにダイニングテーブルを連結させたコの字型キッチン・ダイニングです。

調理中の作業台としても活用できるだけでなく、配膳や片付けにおいても最短移動が叶う機能的な設計です。

また、キッチン・ダイニングを1つの空間としてまとめた分、奥行きの広いリビング確保にもつながります。

 

 

②横長LDKでキッチン空間を区別化した集中型スタイル【実例】

キッチンを自分だけの空間として区別化して使いたい方や油・水の飛び散りが気になる方にも「壁付けキッチン」はおすすめです。

横長LDKの間取りを活かして、リビング・ダイニングから見えにくいキッチンをつくることができます。

「趣味の料理やお菓子作りに没頭したい」「集中して家事を済ませたい」という希望を叶えるにはぴったりのスタイルです。

また、コンロの前を壁でふさぐことで、調理中のにおいや煙が他の部屋に広がりにくいのもメリットです。

 

 

 

 

 

3.壁付けキッチンのレイアウト~メリット・デメリットとその対策

配膳にも便利な壁付けII型キッチン~II型キッチンなら収納力もバツグン

実例と合わせて「壁付けキッチン」の魅力を紹介してきましたが、最後にメリット・デメリットとその対策を分かりやすく、まとめておきましょう。

 

 

①メリット~LDKの配分を有効的に活用!

まるで海外のような広々とした壁付けキッチンのあるキッチン空間

 

a.キッチン作業に集中できる

「正面に壁があると落ち着く」「独立感があって集中しやすい」など、対面キッチンではあれこれと気になってしまうことも、壁付けキッチンならキッチンでの作業に没頭できるメリットがあります。

また、キッチンで発生するにおいや汚れが他の部屋に広がりにくいため、掃除が楽になります。キッチンマットを敷いたり、キッチン空間だけ床材を変えたりして、より掃除が楽になる工夫をしてみるのも良いかもしれません。

 

 

b.限られた空間を賢く設計

冷蔵庫・システムキッチン・食器棚を壁に沿って並べて、無駄のない便利なレイアウトを叶えることができます。

対面キッチンでは、回り込む動線として通路を設計する必要がありますが、壁付けキッチンの場合は、横並びに全ての機能を配置できるので、横移動だけでスムーズに家事を進めることができ、動線にも無駄がありません。「キッチン横パントリー」の設置でさらに利便性を高めることも可能です。

また、調理器具の収納や調理家電の置き場を考えて、L字型キッチンを採用する場合にも、壁付けキッチンはとても便利で無駄のない間取り設計においても効率的です。

 

 

c.広く開放的なLDづくりに役立つ

実例①でも紹介した通り、壁付けキッチンの背面にダイニングテーブルを置く、2列型キッチンのようなレイアウトが配膳や片付けといった家事を非常に楽にしてくれます。他にも、ダイニングテーブルを活用してレシピを広げたり、書き物をしたりと、ちょっとした作業をするのにも便利です。

この短く便利な動線をひとまとめにすることで、結果的として広いリビングの確保にも役立ちます。

 

 

 

 

 

②デメリットとその対策~キッチンでの作業を見直す

おしゃれな壁付けキッチンのあるキッチン空間~家事室+収納力+調理作業にも便利な満足キッチン

 

a.キッチンが孤立してしまう

LDから背中を向けたスタイルなので、キッチンが孤立してしまわないか心配。

⇒対策

LDから見えるところにあるにもかかわらず、キッチンが孤立しがちな理由として、ワークスペースの狭さに原因がある可能性があります。

ご家族が協力しやすいワークスペースの確保や流れ作業にも便利なカウンターを設置することで、見通しの良い空間をつくることがおすすめです。

 

 

b.配膳の家事動線が悪い

キッチンからダイニングテーブルまでの移動に、振り返る必要があるので効率が悪い。

⇒対策

調理・盛り付け場所から手の届く範囲にカウンターやダイニングテーブルを配置することで、短い家事動線が叶うため、振り返りの手間を感じずに済みます。

あるいは、キッチンの左右に動線にカウンターやダイニングテーブルを配置することで、より効率のよい移動が叶います。

 

 

c.LDからキッチンの中が見える

キッチンの調理器具や洗い物、調味料がリビング・ダイニングから丸見えになる。

⇒対策

生活感の出にくいリビングをつくりたい場合は、横長LDKレイアウトでリビングからキッチンが見えにくい間取りにするのもおすすめです。

どうしてもLDからキッチンが見えやすい縦長LDKレイアウトの場合は、壁付けキッチンの背面にカウンターなどを設置して作業台収納棚として活かす手もあります。

調理中の危険を回避するためにも、料理をしている人の後ろを他の家族が通らないようワークカウンターあるいは収納カウンターがあると安心かもしれませんね。

 

 

 

 

 

4.まとめ~おしゃれで便利なキッチンにこだわるLDKづくり

キッチンのスタイルは、キッチンに立つご家族だけでなく、LDKレイアウト全体にも大きな影響を与える重要なポイントです。

対面キッチンが定番となっている今、おしゃれで意外とメリットの多い「壁付けキッチン」は知る人ぞ知る人気のデザインなのです。

壁面デザインにこだわったり、パントリー→冷蔵庫→キッチン→食器棚→調理家電といった横並び配置や動線を充実させたり、工夫次第でよりおしゃれで機能的なキッチン空間がつくれます。

お好みの家事スタイルやお好きなLDKの間取りを見つめ直して、スタイリッシュなキッチンのある理想的なLDKレイアウトを叶えましょう。

 

 

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監修者情報

吉田基生

吉田基生二級建築士 宅地建物取引士 測量士捕

卒業後に某ハウスメーカーに入社。住宅営業、住宅FC部門のOFCを経験する。1999年に地元の不二建設に入社。営業、設計担当としてお客様の家づくりに携わる一方、企画住宅の開発やホームページの管理運営、宣伝広告などの業務を行う企画開発部の部門をつとめる。