住宅の基礎部分を解説!【種類・工程・疑問の解消まで】
注文住宅で最も大事な部分はどこか、分かりますか?
答えは「基礎」です。
基礎が安定していなければ、基礎の上に立つ柱や梁、室内空間は傾いてしまいます。
傾斜が「3/1,000~6/1,000」の場合、人によっては傾きを感じ始め、「6/1000」を超えると、めまいや頭痛といった健康被害が起きる恐れがあります。
このため、基礎を作る段階で傾きなどが生じないよう、気を配る必要があるのです。
本記事では、基礎の種類や工程を解説します。
ハウスメーカーの主催する見学会に参加するときは、基礎部分にも目を光らせて見てください。
住宅に使われる基礎の種類
一般住宅で使用される基礎は、大きく2つの種類に分かれます。
「布基礎」と「ベタ基礎」です。
どちらも一長一短ありますが、現在では関東以南の住宅ではほとんどの場合、ベタ基礎が用いられています。
関東を例にすると、92.4%もの住宅がベタ基礎を採用しています。
布基礎の特徴とは?
「布基礎」の特徴は以下のとおりです。
- 使用する材料が少なく「比較的安価」
ベタ基礎と比べると、使用するコンクリートの量が少なく済むので、材料費を節約できます。
一方で、ベタ基礎よりも手間がかかるため、人件費が高くなるという指摘も。
一般的には布基礎の方が安価になるといわれます。
- 基礎の重量が軽いので「地盤に与える影響が少ない」
コンクリートの使用量が少ないということは、基礎部分の重量が軽いということ。
家全体の重量が軽いほど地盤に与える影響は少なくなるので、一部の軟弱地盤では布基礎の方が沈下が生じにくい場合もあります。
- 基礎がタテ方向に長く「点的な荷重に強い」
布基礎はタテ方向に長いので、一部分にかかる大きな荷重に耐えられます。
3・4階建ての重量鉄骨住宅など、一箇所に重量が集中する場合には、布基礎のほうが適している場合もあります。
ベタ基礎の特徴とは?
次に「ベタ基礎」を説明します。
基礎を全て、鉄筋とコンクリートで緊結してしまい、建物自体の重さ、地震や台風などで発生する力に対して面で対抗します。
先述したとおり、9割以上の人がベタ基礎を採用していて、近年は一般的に”基礎”というとベタ基礎を指すことが多いようです。
ベタ基礎の特徴は次のとおり。
- 耐震性に優れる
布基礎と反対に、ベタ基礎は柱・壁がある場所以外の場所にも鉄筋・コンクリートを配置するので、地震動に対して基礎全体、面で力を受けるので高い耐震性を持ちます。
地震時に液状化が発生したときも、布基礎であれば部分的な沈下が発生しますが、面で支えるベタ基礎なら不等沈下が発生しない可能性があります。
- シロアリを防げる
ベタ基礎なら、地面全体をコンクリートで覆えるので、シロアリの侵入経路を塞ぐことができ、シロアリの侵入を防げます。
ただし、ベタ基礎でも長年使用していると経年劣化からヒビ割れが発生し、シロアリが侵入する恐れがあるので、建物周囲に木材を放置しないなど、対策は必要です。
- 湿気の侵入を防ぐ
シロアリ対策と同様に、湿気の侵入を防ぐ効果も期待できます。
地面が露出しないので、土から湿気が上がってくるのを防げるのです。
木材の大敵である木材腐朽菌の発生を防ぎ、建物の長期的な耐久性を確保することができるでしょう。
基礎の工事の手順を解説
丁寧に施工された鉄筋
普段気にすることがない、基礎工事の手順を確認してみましょう。
どういった手順で工事をするのか把握しておけば、いざ工事が始まったときに興味を持って見ることができるでしょう。
基礎工事の手順(1)地縄張り
最初に「地縄張り」を行います。
地縄は、これから基礎を施工する範囲を土地にロープを用いて明示する作業です。
ここで初めて、家主は建物の形を意識して、駐車場や庭の範囲を確認できます。
建築申請後の配置変更は難しいため、申請前に現地で確認して必要な場合は配置の変更を建築士の方に相談すると良いです。
また、ここで確定した地縄を基準にして、基礎を担当する業者は工事を行います。
基礎工事の手順(2)掘削・砕石・捨てコン
地縄の配置が確定すると、基礎を設置するために設定した深さまで掘削を行い、基礎と地盤のつなぎ目となる砕石を敷き、高さの基準となる「捨てコン」と呼ばれるコンクリートを打設します。
また、砕石を入れて転圧(振動で固める作業)したあと、防湿シートと呼ばれるシートを敷き込みます。
このシートを敷くことで、地面・砕石からコンクリートに湿気が浸透するのを防いで、基礎の内部の湿度を抑えることができます。
基礎工事の手順(3)配筋敷設
基礎は、鉄筋とコンクリートのいいとこ取りをした鉄筋コンクリートで作ります。
この芯をなす「配筋」を敷設します。
鉄筋を1本ずつ折り曲げて、所定の形に加工。
直径や本数、かぶりと呼ばれる、鉄筋と外部との寸法など、様々な基準が存在しており、それらを守って施工されます。
基礎工事の手順(4)型枠組み・コンクリート打設
鉄筋の敷設が終わると「型枠」と「コンクリート」を設置していきます。
型枠は、コンクリートを流し込むための入れ物をイメージするとよいでしょう。
型枠を設置し終わると、ポンプ車でコンクリートを入れていき、固まるまでの間、静かに置いておきます(養生といいます)。
5日前後置いておくとしっかりと固まるので、基礎工事は完了です(天気や季節に左右されます)。
家の本体工事のほかに、エアコンや倉庫などの土台を作る場合は、このときに一緒に作る場合もあります。
基礎工事は、施工する職人の腕が如実に出る工種です。
場合によっては、コンクリートの欠損や、悪いケースではゴミがコンクリート内部に入っているケースも。
施工手順を把握したうえで、基礎工事の現場を見に行ってみて、職人さんと話してみるとよいでしょう。
基礎工事に関するQ&A
基礎下に敷き込む防湿シート
最後に、基礎工事を学んだり、見ていたりするときに感じやすい疑問をQ&A方式で紹介していきます。
鉄筋に雨があたってもサビないの?
鉄筋を敷設してから、コンクリートを打設するまでの間、雨に降られる場面があります。
鉄に雨が当たると、サビが生じることが心配になります。
この問いに対する答えは「サビは問題ない」です。
当然、鉄筋の内部までボロボロになるレベルのサビは問題ですが、工場から出荷され、現場でコンクリートに埋まるまでの期間なら大丈夫です。
表面のサビは強度を落とすどころか、逆にコンクリートとの親和性を上げて、強度増加に効果を及ぼすこともあります。
地面からシロアリが上がってくる対策はある?
シロアリを完全に防ぐことは難しいです。
このため、5年間隔など「定期的にシロアリ予防のため基礎内を確認を依頼するとともに、駆除剤を散布」してもらうことをおススメします。
もっとも、不二建設の標準基礎の場合、べた基礎+JOTO基礎パッキンを採用しているため、5年ごとに駆除剤を使用しなくても10年保証を付与。さらに定期点検を行うことで最大30年の長期保証を実施しています。
設計・建築時にできる対策は、ベタ基礎を採用して、地面と建物のあいだにコンクリートの壁を設けることです。布基礎の場合でも、防湿シートと防湿コンクリートを打設することで、シロアリの予防が期待できます。
また、シロアリが好むような木材を家の周囲に放置していると、木材にシロアリが発生し、建物に移ってくる恐れがあります。
建物の周囲を清潔に保っておくよう気をつけましょう。
まとめ│基礎工事の知識もつけておこう!
基礎工事は馴染みが少なく、引っ越しをしたあとも直接使う訳ではないので、つい業者任せにしてしまいがちです。
しかし、建物の水平を取り、建物の重さを地面に逃し、地震や台風に対抗する、とても重要な役割を果たします。
そんな基礎のことをぜひ、知っておきましょう。
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