再建築費評価点基準表って?|注文住宅の固定資産税を解説
固定資産税は、土地や家屋などの不動産を所有している人が、その固定資産の価値に応じて市町村などの地方自治体に納める税金です。土地の場合は固定資産税路線価といわれる評価額を元に算出されるのに対して、家屋の場合は現地調査の上で固定資産税評価を行います。それぞれの評価額に面積を乗じて固定資産税額が決定します。
今回は、土地と家屋の固定資産税を算出する仕組みと、節税などにも役立つ再建築費評価基準表について解説していきます。
固定資産税の評価方法
土地および家屋の固定資産税額を算出する際には、それぞれ
固定資産税の計算式
固
※小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準額は評価額の1/6に減額、一般住宅用地(200㎡超える部分)は 課税標準額は評価額の1/3に減額されます。
土地の固定資産税評価について
土地の固定資産税評価額は、固定資産税を計算する基準となる価格です。評価額は、地目(宅地、畑、田など)や土地の形状などの状況によって算出方法が異なります。
土地の地目
課税地目はその年の1月1日現在の現況地目により認定されます。地目は全部で23種類ありますがこの中で「住宅」を建設できる土地は宅地・田・畑・山林・原野・雑種地などがあげられます。なお、これらの地目に家屋を建てる場合には地目を「宅地」に変更する必要があります。
宅地の評価方法
宅地の評価方法は、「路線価式評価法」または「標準地比準方式」のいずれかによることとされています。
- 路線価方式:主に市街地の宅地で、道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格(路線価)にに基づいて各土地の利用状況等(奥行・間口・形状)により画地計算法を用いて価格を決定する評価法です。目安ですが全国地価マップで最新の路線価を確認することが出来ます。
- 標準地比準方式: 主に郊外の宅地で、利用状況が類似している地区(状況類似地区)ごとに標準地を定め、1平方メートル当たりの価格を付設しその価格に各筆の面積を乗じて価格を求める評価法です。
家屋の固定資産税評価について
家屋とは、一般的に土地に建てられた住宅等の建物を指しますが、固定資産税の対象になる家屋とは住宅以外にも物置、車庫、店舗、倉庫なども該当します。家屋の固定資産税は、土地の計算式と同様「評価額は「再建築費」に「経年減点補正率」を乗じて算出されます。なお新築住宅の場合は、3年間(耐火・準耐火構造の中高層住宅については5年間)固定資産税の減額が受けられます。
評価額 = 再建築費 × 経年減点補正率
- 再建築費:同じ建物を新築する場合にかかる建築費。
- 経年減点補正率:建築時から経過した年数に応じて価値が下がる割合。(最大20%まで縮小)
以上のことから、建物の構造や使用される部材と築年数により評価額が決まるため、注文住宅を計画する際には高価な部材を選んでいくと固定資産税評価にも影響することが分かります。この再建築価格を査定する際に用いられるのが再建築費評点基準表になります。
再建築費評点基準表について
再建築費を算出する場合、実際にかかった費用ではなく再建築費評点基準表に記載されている柱や基礎などの構造材および屋根、壁、など仕上げ材などの部材毎に設定した点数をもとに建築費を算出します。つまり、固定資産税の節税をしようとすると再建築費評点基準表の数値が必要となります。なお基準表は以下の内容で構成されています。(再建築費評点基準表の記載内容は、自治体により異なる場合があります。)
再建築費評点基準表例(「総務省:再建築費評点基準表等の改正案について」より抜粋)
構造部
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、建物の構造によって異なる基準が適用されます。 木造の点数を基準にした場合、鉄骨造、鉄筋コンクリ―ト造の点数は高くなります。さらに上記で紹介した 経年減点補正率年数により年々建物の評価額も下がっていくのですが、最小値に達するのは木造で27年、その非木造で45年かかるるため、長期間の所有の観点から木造が節税には有利といえます。
外壁仕上
周壁の仕上げ部分とその下地部分をいいます。例:サイディング、吹付仕上げ、鋼板、外装タイルなど。採用の多いサイディングと比較すると、吹付や鋼板は少し点数は下がりますが、外壁タイルは約1.5倍の点数になります。外装の場合、劣化にともなうメンテナンスを考慮する必要もあるため、様々な観点で選択する必要があります。
内装仕上
内装面の壁面の仕上げおよび下地部分をいいます。例:クロス、内装タイル、塗り壁、板張り、石張り、石膏ボードなど。一般的なクロスと比較すると板張りや内装タイルなどは2倍以上の点数になるため、これらを採用する施工面積を抑えてアクセント仕上げにするなど、インテリア性と合わせて工夫するとよいでしょう。
床仕上
内装の床面の仕上げおよび床組み(下地)をいいます。例:木質系フローリング、畳、石張り、タイル張り、着色コンクリートなど。木質系であっても上・中・並のランク別に評価点が設定されているため複合フローリングと無垢フローリングでは評価が変わりそう。石材、タイルなどはフローリングと比較して点数が高いため大理石調フローリングなどを採用すると、雰囲気よく評価点を抑えることができます。
天井仕上
内装の天井面の仕上げおよび下地部分をいいます。例:木質系仕上材、クロス、塗りなど。内装同様クロスを基準とした場合他の仕上げの点数は高いため板張りなどを採用する場合は部分的に採用したり、木目プリントのクロスを採用するなどで点数を抑える工夫も一考です。
屋根仕上
屋根面の仕上げ、下地部分をいいます。例:瓦、金属板、スレート、アスファルトシングルなど。アスファルトシングル屋根を基準にした場合、他の仕上げ点数が高く設定されています。外装同様メンテナンスなどの耐久性なども考慮して選択するとよいでしょう。太陽光一体型屋根は設置型と異なり固定資産税の対象になります。また、天窓の有無により点数が加算されます。
建具
床面積に対する建具の本数、建具のグレードをいいます。建具:窓、ドア、シャッター、室内ドア、障子など出入り口戸および枠など。グレードの違いで点数の違いもありますが、床面積に応じた建具の本数で補正係数を乗じるため不要な建具は設置しないことにより節税対策になります。
建築設備
スイッチ・コンセントなどの電気設備、ガス・給湯などの配管設備、キッチン、浴室などの衛生設備、ビルトイン型の冷暖房、換気設備など。給湯器はエコジョーズと貯湯式給湯(エコジョーズやハイブリット給湯器など)で点数が変わります。衛生設備に該当するキッチン、浴室はグレードより大きなが点数の加点ポイントに。床暖房やビルトイン型のエアコンなどは建材として扱われるため評価の対象になるので注意!なおホームエレベーターは設備の中で一番評点数が高いため、維持費も含めて検討する必要があります。
その他
上記に含まれない部分をいいます。例:雨どい、バルコニー、階段、床の間など。最近要望しない方が増えているバルコニーですが、なくすことで工事費が掛からず、固定資産税の評価対象にもなりません。同じく要望が増えている平屋の家は階段が不要なので、評価面では有利です(ロフトなど固定階段を設置すること対象になります)
補正項目・補正係数
上記で紹介した部位別の仕上げ材だけでなく、建物の形状が複雑になることで材料を多く使うことや天井高さ、屋根勾配など施工量の多少や施工の程度の良しあしなども評価点の加算ポイントにあげられます。
建物の用途
住宅、店舗、事務所、工場など、建物の用途によっても基準が異なります。同じ構造や仕上げでも、用途が異なれば使用される資材や設備が異なるため、評価も変わります。
再建築費評点の算出方法
各部分の再建築費評点は、以下の計算式で算出されます。各部分の再建築費評点を合計することで算出されます。
再建築費評点基準表の入手方法と注意点
- 原則として所有者:再建築費評点基準表は、原則としてその年の11月1日時点で不動産を所有している人に交付されます。
- 情報開示請求:市町村役場の固定資産税を取り扱っている部署に「固定資産税評価情報開示請求書」を提出することで、取得できる場合があります。
- 契約時の取得:不動産の売買契約時には、仲介業者などを通じて、前所有者から再建築費評点基準表の写しを入手できる場合があります。特に中古物件の場合は、建物の詳細を把握し、建物と附属設備を区分する上で重要な資料となります。
- 地方財務協会オンラインブックストアで購入:令和6基準年度の木造および非木造家屋の再建築費評点基準表(約400ページ)を購入できます。
まとめ
固定資産税は、消費税や不動産取得税など他の税金と違い土地や家屋を所有すると毎年かかる税金です。固定資産税を算出する仕組みや家屋の評価に使われる再建築費評点基準表は、建物の詳細な情報が詰まっています。不動産の所有者や購入を検討している方は、その内容を理解しておくことが大切です。詳細については専門家(税理士など)に相談しなが、適切に活用することをおすすめします。
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